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「あさごち」3話

 

 

すっかり 気分が 良くなって、ズンズン 歩いて いくと

 

上から 私を 見下ろすヤツ

 

「ちょっと 何 見下ろして いるのよ!

 

あなたの 奥歯 ガタ ガタ 言わせましょうか?」

 

見上げると

 

うつくしい花

 

思わず 体が のけぞった。

 

でも、

 

「フンッ!!」

 

って こんしんの 力を 込めて ふんばった。

 

「ウフフッ、きれいなブリッジね。」

 

うつくしい花はそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

いっぺんに いろんな人に 会いすぎて

 

なんだか 疲れて きちゃった。

 

「そろそろ 私が いないことに ママが 気がついて、

 

奥歯 ガタ ガタ 言わせて いるかも しれない。

 

帰って あげようかな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ムワッと 生温い 空気が 通り過ぎて

 

あたりが 急に 暗くなった。

 

「なんだろう、 胸騒ぎが するわ。」

 

不安な 気持ちが 膨らんだ。