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本『魚かもしれない』/著 西川奈央子

今回は本の紹介です。

この本は私が絵本のワークショップで出会った西川さんという女性が、2009年に出版された本です。

 

この本を呑み込むまで、1年くらいかかってしまいました。

それくらい、簡単には入ってはいけない世界のように思えました。

 

ご本人様の承諾済みですので、中の文章をいくつかご紹介したいと思います。

文章の下のカッコ()は私の感想です。

 「楽にして下さい」

とお茶を出された。

これを飲めば

楽になれるのだろうか」

   簡単にお茶出せないなって思いました。

嬉しくて笑った

それを見た母さんは

もっと笑った

 

苦しくて泣いた

それを見た母さんは

もっと泣いた

 

私と母さんは 

何か

つながっているのだろうか

   母になってわかる、はい、つながってます

 

他、本のタイトルにある「魚かもしれない」より

 

「浮き沈みを繰り返し

どうにか今日も息つぎをする

この波に乗り損ねまいと

目にしみる痛さも後回しにする

 

時になぜか

生まれた川に還りたくなる

育った水に浸りたくなる

もしかしたら私は

魚かもしれない」

 

「郷愁」って言葉があるくらいですから、一番誰かに守られていた時期の場所に帰りたくなることって・・・あります

 

本の中には各ページ、1文章ごとにそれに寄り添ったストイック(という表現があっているか分かりませんが)な挿絵が描かれています。

 

 この挿絵も西川さんご本人が描かれています。

 

私は、この方は自分の言葉を持っている方だと思いました。

 

大抵の方は、なんでも、それらしいように、適応できるように、人に媚びた言葉を選んで

社会の中で過ごしていますが(もちろんそれは一種の生きる大事な術だと思います)

西川さんは人に媚びません。

だから、言葉一つ一つに媚びへつらうものが、ありません。

 

西川さんは絵本のワークショップで出会っただけに、絵本を作られているのですが

今まで作られてきたラフ作品の中にも、そこには自分自身の中で対話をたくさんされてきた方特有の静けさがありました。

 

とても魅力的な作品を作られる方なので、皆さまに知っていただきたく、ブログにてご紹介させていただきました。

 

文章のみだとなかなか伝わりにくい箇所もありますが、挿絵とセットでみていただくことでより世界観が伝わってきますので、

もしこの本を見る機会があれば、是非手に取ってみてください。

 

最後に

私が一番すきな文章をご紹介して終わりたいと思います。

 

私の体は、蟻より重い

私の眼は、前しか見えぬ

私の頭は、脳みそを囲む骨のせいでなく硬い

しかし私は、この数分で

何か所も蚊に血を盗まれる程自由だ

 

この本ですが、紹介しておいてなんですが

絶版となっておりますので、入手は困難かもしれません。

悪しからず。

 

本のタイトル/『魚かもしれない』

著者/西川 奈央子

発行所/㈱文芸社

価格/1,500円(税抜)


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コメント: 2
  • #1

    にしかわなおこ (水曜日, 27 2月 2019 09:49)

    こんにちは!こちらこそ、青木さんと出会えて感謝です!これからも、正直に自分の世界を描きつづけるので、青木さんも素敵な作品を生み出して下さい!

  • #2

    青木鮎美 (水曜日, 27 2月 2019 09:56)

    にしかわさんからのまさかのコメント
    ありがとうございます。
    恐悦至極に存じます。
    絵本描いたらまた見せてください!
    楽しみにしています。